2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴィム・ヴェンダース『ことの次第』

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「ハメット」でコッポラと共作しようとして途中で外れたヴェンダースがそれと平行して撮った作品。SF作品を時代遅れとなった白黒で撮ろうとする監督が主人公の映画内映画作品でその当時から現在にも通じる産業映画(ハリウッド映画)批判が全編にわたって繰…

ゴダール『ゴダールのマリア』/岩窟の聖母

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「右側に気をつけろ」「パッション」「カルメンという名の女」とゴダールのなかでも親しみをもって語られる80年代作品のひとつ「こんにちは マリア」、とにかくミリアム・ルーセルの美と自然美をうつした映像が賞賛される。処女懐胎を枠として何の躊躇もな…

クレール・ドゥニ『パリ、18区、夜。』

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退屈で凡庸な「ショコラ」の監督で認知されているのだろうが、本作そしてヴェンダース、ジャームッシュが絶賛する(彼らの助監督をしていたらしい)「ネネットとボニ」、ギャロ出演の「ガーゴイル」といった作品をもつ。「ショコラ」のあと1994年に製作…

ジョゼフ・ロージー『エヴァの匂い』

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アダムとエヴァの楽園追放。かつてアメリカを追放されたロージーのなかで最も知られた一作。マッチョな男と自由な女。ドゥルーズ「シネマ」より『しばしば、環境に先んじて、環境に反抗して、そして男たちの起源的世界の外部において現れ、在るときはその環…

ジーバーベルク『ルートヴィヒⅡ世のためのレクイエム』

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アテネフランセで。黒沢清が絶賛してるためか、満員。アテネフランセは席取りを誤ると満足に映画が観れない。19世紀中頃から終わりまでバイエルンの国王であり、ワーグナーのパトロンであったルートヴィヒⅡ世の伝記映画。民衆から盲目の信頼を受けつつも藝…

ゴダール『はなればなれに』

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「軽蔑」はカラーだったが、本作と翌年の「アルファビル」は白黒となっている。日本での公開は00年代と遅れた。フランツとアルチュールという文豪の類型である2人の男と純粋無垢なオディールの三人の数日間、まだ物語を語っていた時代に撮られた本作はゴ…