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音楽がジム・オルークだというので観た。日本映画は久々。退屈な情景がだらだらと流されるようなものを想像していたが、海炭市に住まう人々の群像劇で大した交わりはないが、短編を繋ぎ合わせた話で退屈はしなかった。リストラされた造船員とその妹/古びた…
「よく、ぼくの映画のすべてを理解したわけじゃないなどと口する人がいる。でもぼくの映画には理解すべきことなどなにもない。耳を傾けさえすれば、そして受け入れさえすればいい」とゴダールが言う。わかりにくいと口々に言われる後期ゴダール作品だが、何…
多くのシネアストがフェイバリットに挙げる「夜の人々」白黒で、ファーリーグレンジャー(ボウイ)、キャシー・オドネル(キーチ)の愛を映し出す。二人が抱擁するシーンではキーチの顔がクローズ・アップされる。ソフトフォーカスなのか絞りの問題なのかう…
1972年、ジガ・ヴェルトフ集団名義。フランスからイヴ・モンタン(ジャック)、アメリカからジェーン・フォンダ(スーザン)を主演にするが、それは政治的選択であり、冒頭で面白おかしく説明される。恋愛映画を揶揄する二人の歩きとオフヴォイス。五月革命…
レオー(彼)とジュリエット・ベルト(彼女)の二人が夜な夜な黒いスタジオにやってきてテレビかスクリーンを見て話し合う。五月革命やらいろいろと。五月革命の前後またいで取られた本作にも政治色は色濃く反映されている。二人の姿勢や位置が挟まれる映像…
脈絡なくいきなり歌い出すミュージカルは見て来なかった。「ドリームガールズ」だったかビヨンセと二人の引き立て役の三人がバカ売れポップトリオになる映画をスペインの長距離バスで見た(音無し)が、深刻な顔になってうつむく不器量な女が大きく口を開い…
悪夢。変態との3Pを語る逆光の女とそれを逐一聴く男のシーンは低音の効いた弦楽の効果も相まってシリアスなものに見える。 しかし、一転してインディアンの格好をした子どもが主役の夫妻の車を棒で叩いていて夫がそれにキレながらも車を動かすと角の車に当…
オーディトリアムで特集されているゴダール+ジガ・ヴェルトフ集団の作品。1968年「ありきたりの映画」はフランスの五月革命を当時の映像と団地の空き地の草むらで5人の男と1人の女が議論する映像、それだけ。基本的に6人の議論ではカメラは固定され、…
残念ながらミレールの他の作品は観たことがなかったが、「引き裂かれた女」のリュディビーヌ・サニエ(アンナ)が出ているということで観た。三つの年代。戦中、戦後、現在(モノクロ)で中心となる夫妻の子どもフランソワ(マチュー・アマルリック)の回想…
本日イメージフォーラムで封切りされたフランス映画未公開傑作選。クロード・ミレールが4月に亡くなってしまったので、そういう特集ともとれる。しかし、この御三方の映画はどんなものであっても傑作と呼ばれてしまうぐらいのものである。初日に行ってみた…
「夜の霧」「ヒロシマ・モナムール」「去年マリエンバードで」につづく「ミュリエル」ヌーヴォーロマンの影響というかロブ=グリエのそれによって、冒頭から次々と移り変わるカット、不自然な会話。支離滅裂と言ってしまいたいほどのつなぎが居心地を悪くさ…
5月にミッドナイト・イン・パリが日本でも上映されるウディ・アレンの1989年の作品。 上流階級に属する良夫に見える眼科医の浮気ー殺しと、ウディ・アレン演じる、一年セックスレスの貧乏な記録映画の監督の恋模様の二つの物語を軸に話が進んでいく。眼…
ヴェンダースのロードムービー三部作の二作目。「都会のアリス(’73)」「まわり道(’74)」「さすらい(’75)」と一年に一作ペースでつくられた。本作はゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』を原作としており、文学色が強くやたらと主人公…
DVD『メランコリックな宇宙 ドン・ハーツフェルト作品集』 アメリカではアカデミー賞にノミネートされるほどの知名度と人気をもつドン・ハーツフェルトの作品集をイメージフォーラムで観てきた。日本初劇場公開らしい。「オヤシラズ」手書きで極端にデフォル…